動画制作の成功事例に学ぶ|採用・営業・Webサイトで成果を出す企業の共通点

「動画制作にお金をかけたのに、成果につながっている実感がない」——制作会社として日々ご相談をいただく中で、この悩みを口にされる担当者は少なくありません。一方で、同じように動画を取り入れながら、採用のエントリー数を大きく伸ばしたり、営業の商談化率を押し上げたりしている企業も確かに存在します。両者を分けているのは、予算の大小でも機材のクオリティでもなく、「どこに」「どんな設計で」動画を置いたかという、ごく実務的な違いです。

この記事では、企業紹介動画・採用動画・自社サイト掲載動画という3つの領域に絞り、公表されている調査データや導入事例をもとに、動画制作の成功事例と呼べるものに共通するロジックを整理します。単なる事例紹介で終わらせず、御社が同じ成果を再現するために何を押さえるべきかまで踏み込んでお伝えします。

動画制作の成功事例から見えてくる、成果を出す企業の共通点

まず押さえておきたいのは、動画制作の成功事例と呼ばれるものに、実は共通の型があるという点です。派手な演出や高額な制作費が成功を左右しているわけではなく、むしろ逆で、成果を出している企業ほど「小さく作って検証し、当たったものに投資を寄せる」という地味な運用を徹底しています。ここではまず、業界全体の動きと、成功事例に共通する制作スタンスを見ていきます。

動画制作の成功事例がこれほど増えている理由

株式会社電通デジタルが2026年3月に発表した「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」によれば、2025年のビデオ(動画)広告費は前年比121.8%の1兆275億円となり、推定開始以降で初めて1兆円を突破しました。単価が高く一部の大企業だけが取り組む施策だった動画が、いまや中小企業の採用サイトや商品ページにまで当たり前のように組み込まれる時代になっています。

この流れはBtoB企業でも同様です。動画制作サービス「ムビサク」を運営するアルファノート株式会社が2026年6月に実施した実態調査(BtoB企業の担当者500名対象)では、動画マーケティングを実施している企業のうち60.6%が「効果があった」と回答しています。同社が公表した営業動画に関する実態調査(同500名対象)でも74.0%が、会社紹介動画に関する実態調査(企画・営業・広報担当者200名対象、2026年8月)でも72.5%が効果を実感しており、用途を問わず動画への評価が高いことがうかがえます。

活用チャネルも広がっており、自社サイトへの掲載に加えて、YouTubeやSNSでの発信、展示会での上映用動画、営業同行時に見せる商談用動画など、1本の素材を複数の場面で使い回すワンソース・マルチユースの発想が主流になりつつあります。制作した動画を自社サイトだけに留めず、採用面談や展示会ブースでも流用できるよう最初から設計しておくと、同じ制作費でも得られる成果の総量は大きく変わってきます。

動画制作の成功事例に共通する「小さく始めて検証する」スタンス

動画制作というと1本数百万円の大掛かりな企画を想像しがちですが、成果を出している企業の多くは、1本あたり数十万円規模の予算からスタートし、反応を見ながら投資額を調整する傾向にあります。いきなり大きな予算を投じてしまうと、狙いが外れたときの軌道修正がしづらくなるためです。

日々ご相談をいただく中で感じるのは、成果につながっている企業ほど「1本作って終わり」にしていないということです。1テーマ・1本を公開し、問い合わせ数やサイト滞在時間の変化を1〜2か月観察したうえで、シリーズ化するかどうかを判断する。この「賭けない設計」こそが、成功事例と呼ばれるものの裏側に共通して存在していると私たちは考えています。

【企業紹介動画】動画制作の成功事例に見る営業獲得率アップの仕組み

企業紹介動画は「会社概要をきれいに見せるもの」と捉えられがちですが、成果につながっている企業は、これを営業ツールとして明確に位置づけています。ここでは商談化率や受注率の改善につながった動画制作の成功事例と、その背景にある仕組みを解説します。

動画制作の成功事例|商談化率・受注率が伸びた企業紹介動画

前述のアルファノート「営業動画の活用に関する実態調査」では、営業活動に動画を活用している企業のうち32.4%が「商談時における製品理解の促進」を、30.6%が「お問い合わせ・リード獲得数の増加」を、23.8%が「商談化率の向上」を具体的な効果として挙げています。動画そのものが目新しいから成果が出たのではなく、商談前に相手の理解度を引き上げておくことで、商談本番の時間を「説明」ではなく「合意形成」に使えるようになったことが本質的な要因だといえます。

同社の会社紹介動画に関する実態調査でも、効果として最も多く挙げられたのは「企業イメージ・信頼性の向上」でした。これは、動画が「実体の見えない不安」を解消する装置として機能していることを示しています。特に外構工事や住宅関連など、現場のリアルな空気感が信頼に直結する業種ほど、この効果は顕著に表れる傾向があります。

外構工事を手がける株式会社アイガーデンの事例では、動画制作会社の株式会社ファインズが提供するサービスを導入し、自社サイトへの動画掲載やインタラクティブ動画、Webコンサルティングを組み合わせた導線改善によって、月間の問い合わせが0件から平均15件にまで伸び、従業員数は7名から14名へ、売上は年間で2.5倍に成長したと公表されています。動画単体の力というより、動画を起点に「見る→理解する→問い合わせる」という導線全体を設計し直したことが、成果につながった一次的な要因です。

動画制作の成功事例が営業トークの属人化を防ぐ理由

企業紹介動画のもうひとつの価値は、営業担当者ごとの説明品質のばらつきを埋められる点にあります。ベテラン営業が口頭で丁寧に説明していた複雑な仕組みや強みを、インフォグラフィックやアニメーションで映像化しておけば、入社間もない担当者でも同じ解像度で顧客に価値を伝えられます。

先ほどの実態調査で「商談時における製品理解の促進」が最も多く挙げられていたことは、この属人化解消のニーズの表れでもあります。属人化していた営業ノウハウを動画という資産に変換できるかどうかが、動画制作の成功事例になるか、単なる「作って終わり」の施策になるかの分かれ目です。

商談前フォロー、リード獲得、自社サイト・LPの各活用シーンにおける従来の課題と、動画活用後の主な変化をまとめた表

【採用動画】動画制作の成功事例で見る応募数アップの舞台裏

人手不足が続くいま、採用動画は「あれば良いもの」から「ないと母集団形成すら難しいもの」へと位置づけが変わりつつあります。ここでは採用領域における動画制作の成功事例と、応募行動への影響を具体的に見ていきます。

動画制作の成功事例|応募行動を動かした採用動画

採用動画制作・配信サービスを提供する株式会社moovyが就職・転職経験者333名を対象に実施した「採用動画のトレンド調査2026」によると、採用動画を視聴した人の90.6%が「応募意欲や応募判断に何らかのプラスの影響があった」と回答し、そのうち26.1%は「応募意欲が高まり、実際に応募した」と答えています。採用動画は、今すぐ応募する層だけでなく、比較検討中の候補者を引き寄せる中長期の資産としても機能していることがわかります。

同社が公開している導入事例を見ると、動画がどの段階で効いているかがより具体的につかめます。電気設備工事業の株式会社テクノワークスでは、スカウトメールに採用動画を添付したところ、ベテラン層からの返信率が0%から7.1%へ改善しました。総合人材サービスの株式会社ワールドインテックでは、縦型ショート動画で社員の声と職場環境を伝えたことで、一次面接実施率が56%から73%へ向上しています。ノバシステム株式会社では、社員が登場するショート動画を最終面接前に配信し、内定承諾率を30%から50%へ改善させました。3社に共通するのは、応募数という入口の指標だけでなく、返信・面接・内定承諾という選考の各段階に合わせて動画の役割を分けている点です。

動画制作の成功事例に学ぶ、内定辞退とミスマッチを防ぐコツ

採用における本当の課題は、応募数そのものより「入社後のミスマッチ」にあるケースが少なくありません。給与や勤務地といった条件面はテキストで十分伝わりますが、職場の雰囲気や社員同士の距離感、一日の仕事の流れといった定性的な情報は、言葉だけではどうしても伝わりにくいものです。

住宅業界など、現場のリアルな空気感が志望度を左右する業種では、説明会の様子を撮影した動画や、視聴データをもとに候補者の関心度を把握してその後のフォローに活かす取り組みが進んでいます(※特定企業の具体的な導入事例として紹介する場合は、一次情報での確認をおすすめします)。動画で先に現場のリアルを見せておくことで、自社に合わない層が早い段階で離脱し、結果的に選考全体の質が上がるという構造です。認知段階では1分未満のショート動画で興味を引き、選考が進んだ候補者には社員インタビューや現場密着映像を見せるというように、フェーズに応じて尺を使い分けることが、採用動画を成功事例にするための実務的なコツです。

【Webサイト・LP動画】動画制作の成功事例に学ぶコンバージョン改善

自社サイトやランディングページに動画を掲載する取り組みは、最も投資対効果を検証しやすい領域でもあります。ここでは具体的な企業事例を通じて、CVR改善の仕組みを見ていきます。

動画制作の成功事例|自社サイトの動画が問い合わせを押し上げた事例

前述の株式会社アイガーデンの事例が示すのは、動画を「置いて終わり」にせず、Webコンサルティングと一体で運用したことの効果です。問い合わせが月間0件だった状態から平均15件まで伸びた背景には、動画で会社の実体や施工品質を見せることで、外構工事という「実際にできあがるまでイメージが湧きにくい商材」への不安を解消できたことがあると考えられます。

一般に、テキストと静止画だけで完結させていたサイトに動画を加えると、訪問者が製品やサービスを理解するまでの時間が短縮され、問い合わせに至るまでの心理的ハードルが下がるとされています。動画を見た状態で問い合わせてくる顧客は、あらかじめサービス内容を理解しているため、その後の商談の質そのものが変わってくるという声も、営業動画に関する実態調査(前述)の「商談時における製品理解の促進」という回答と符合します。

動画制作の成功事例から見る、配置と尺で変わるCVRの差

同じ動画でも、置き場所と長さによって成果は変わります。一般的な目安としては、サイト埋め込み用は1〜3分程度、ページの上部に配置し、視聴後すぐに行動できるようCTAを併設することが望ましいとされています。長すぎる動画は最後まで見られず離脱の原因になり、短すぎる動画は情報が不足して問い合わせ判断に至りません。

ランディングページに掲載する動画をABテストで継続的に改善していくことでCVRが底上げされた、あるいは視聴者が能動的に情報を選べるインタラクティブ動画の導入でCVRが大きく改善したという報告も業界内では見られますが、具体的な倍率は制作会社や調査元によって幅があります。自社で採用する際は、まず現状のCVRを基準値として記録したうえで、動画あり・なしでの比較データを取ることをおすすめします。この「尺の設計」と「計測の設計」を軽視すると、せっかく作った動画が成功事例になり損ねてしまいます。

動画制作の成功事例を自社で再現するための4ステップ

ここまで見てきた成功事例には、業種や目的が違っても共通する制作プロセスがあります。最後に、その型を4つのステップとして整理し、あわせて制作会社選びで押さえておきたい視点をお伝えします。

動画制作の成功事例に共通する制作プロセスの型

成果を出している企業の多くは、いきなり本格的な動画を1本作るのではなく、下の表のような順序で小さく検証を重ねています。この順番を踏まずに「とりあえず良い動画を作る」ところから始めてしまうと、公開後にどこを改善すべきかの判断材料がなく、成功事例どころか予算だけが消えていく結果になりがちです。

目的とKPIの設定、小規模での制作・公開、視聴データの計測、改修とシリーズ化の4つのステップにおける主な内容とポイントをまとめた表

前述のBtoB企業向け実態調査では、動画活用企業の一定数が「費用対効果を実感しにくい」と回答しています。その多くは、この4ステップのうち3と4、つまり計測と改修のプロセスが抜け落ちているケースだと考えられます。動画は公開して終わりではなく、育てていくものだと捉え直すことが、成功事例と失敗事例を分ける最大の要因です。

動画制作の成功事例につなげる、制作会社選びのチェックポイント

制作会社を選ぶ際は、見積もりの安さや過去作品の派手さだけで判断しないことが重要です。むしろ確認すべきは、公開後の視聴データをどこまで一緒に追ってくれるか、そして反応を見て小さく作り直す柔軟な制作体制を持っているかという点です。1本の制作費が高額すぎる会社に依頼してしまうと、改修のたびに追加費用と時間がかかり、PDCAを回す前に予算が尽きてしまいます。

見積もりを取る段階で「公開後、数値が振るわなかった場合の改修はどのように対応してもらえますか」と一言尋ねてみることをおすすめします。この質問への回答の具体性で、その制作会社が単発の納品業者なのか、成果まで伴走してくれるパートナーなのかがある程度見えてきます。あわせて、公開した動画の目的・尺・掲載場所・視聴データを社内で一覧化しておくと、担当者が異動しても、また制作会社が変わっても改修の精度を保ちやすくなります。

動画制作の成功事例を「自社の成功」に変えるために

紹介してきた動画制作の成功事例に共通していたのは、目的を先に決め、小さく作って検証し、数字を見ながら育てるという、地味だけれど再現性のあるプロセスでした。採用動画で応募数を伸ばした企業も、企業紹介動画で商談化率を上げた企業も、自社サイトの動画で問い合わせを増やした企業も、特別な機材や桁違いの予算を使っていたわけではありません。

一次相談から動画制作の成功事例を自社でつくる

もし現在、動画制作を検討していて「どこから手をつければ成果につながるのか分からない」という段階であれば、まずは自社の課題が「採用」「営業」「Webサイトからの問い合わせ」のどこにあるのかを整理するところから始めてみてください。課題の所在によって、作るべき動画の種類も尺も置き場所もまったく変わってきます。私たちum.でも、企画の前段階からのご相談を承っていますので、次に成功事例として語られるのは御社の取り組みかもしれません。

出展

株式会社電通デジタル「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(2026年3月5日発表)
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2026-0305-000300 アルファノート株式会社「【2026年版】BtoB企業における動画マーケティングの実態調査」(2026年6月、有効回答500名)
https://mvsk.jp/column/research-report-20260610-btob-video-marketing アルファノート株式会社「【2026年版】営業動画の活用に関する実態調査」(2026年6月、有効回答500名)
https://mvsk.jp/column/research-report-20260620-sales-video アルファノート株式会社「【2026年版】会社紹介動画の活用における実態調査」(2026年8月、有効回答200名)
https://mvsk.jp/column/research-report-20260804-company-introdoction-video 株式会社moovy「採用動画のトレンド調査2026」(対象:20〜40代の就職・転職経験者333名)
https://company.moovy.jp/column/5923/ 株式会社moovy 導入事例

株式会社ファインズ プレスリリース「サービス導入企業の成果事例を公開」(2025年12月18日、PR TIMES)※株式会社アイガーデンの事例の出典
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000034396.html